標準モジュールは、フォームやレポートなどのオブジェクトとは関係なしに作成でき、単独で実行することもできます。そのため簡単にプログラムを試せるので便利です。
また必要があれば、フォームやレポートのモジュールから呼び出すことができます。
今回は標準モジュールを使って、最も簡単なプログラムを書いて保存するまでの、一連の流れを体験してください。
【1】「SampleDB020.mdb」を起動してから、VBE(Visual Basic Editor)を起動します。
*「Altキー」+「F11キー」で起動
【2】メニューから「挿入 → 標準モジュール」を選択します。
【3】標準モジュールが追加され、プログラムが入力できる状態になりました。
【4】半角で「sub test1()」と入力し、「Enterキー」を押します。
【5】「End Sub」が自動的に表示されました。
この Sub test1() から End Sub までが、プログラムの流れの単位となり、「Subプロシージャ」と言います。
【6】プログラムが読みやすいように、「Tabキー」を押してインデント(字下げ)します。
【7】半角で「m」とだけ入力します。
【8】「Ctrlキー」を押しながら「スペースキー」を押すと、その時点で入力できる候補がリスト表示されます。
【9】「ms」まで入力すると、さらに候補が絞りこまれます。リストから「MsgBox」を選択して「Tabキー」を押してください。
*マウスでダブルクリックして選択することもできます。
【10】「MsgBox」が入力されました。
このように最小限の入力でプログラミングできます。スペルがうろ覚えでも入力でき、またミスが減るため、大変便利な機能です。ぜひ活用してください。
【11】以下のように Subプロシージャ を完成させてください。
*「"」は半角です。
【12】同じ要領で、下にあと二つの Subプロシージャ を書いてください。
*同じ標準モジュール内に書きます。
【13】標準モジュールを保存します。
【14】モジュール名に「test」と入力し、「OK」ボタンをクリックします。
【15】標準モジュールの名前が変わり、保存されました。
【16】いったん VBE は閉じてください。
【17】今作った標準モジュールが、データベースウィンドウの「モジュール」に、表示されるようになりました。
この画面からも、新規作成、編集、削除を行なうことができます。
【解説】
(1)プロシージャとは手続きのことで、一連の処理の集まりです。プロシージャには種類があります。
・Subプロシージャ 戻り値を返さない
・Functionプロシージャ 戻り値を返す
・イベントプロシージャ イベント発生時に呼び出される
Subプロシージャは処理を行なうだけで、Functionプロシージャは処理した後に値を返します。イベントプロシージャは、イベントが発生したときに、システムから自動的に呼び出されます。
イベントとは、「マウスでボタンをクリックした」、「フォーカスを取得した」などの操作や処理を行なった時に発生するものです。イベントプロシージャについては後に詳しく説明します。
(2)プロシージャごとに水平線で区切られます。
(3)プロシージャは書く順番を入れ替えても影響はありません。
(4)1つの標準モジュールには、複数のプロシージャを含めることができます。
プログラムの実行方法については、次回に詳しく解説します。